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美の壷 和紙



和紙とは、日本独自の材料を使って伝統的な方法で作った紙のことです。



和紙の世界


かつて日本を訪れた外国人は、住まいに多くの紙が使われていることに驚きました。
和紙の障子
紙はこの国の暮らしになくてはならないもの。
紙を使った工芸品は、繊細で優美な文化を象徴しています。
そこには、和紙ならではの特徴が生かされて来ました。
和紙の明かり
和紙の扇子
和紙の傘


古代中国で始まり日本に伝えられた紙作り。
奈良時代から平安時代にかけて、独自の材料や技術が開発されていきました。
和紙の代表的な原料は、「楮(こうぞ)」です。
大陸から伝わった紙には、麻などが使われていました。
日本の野山に育つ植物を原料にしたことから、和紙の歴史は始まります。
楮の木で紙に使われるのは樹皮の部分。
表面の層を除いた白皮(楮の樹皮)です。
皮を剥いだ木材から作られる洋紙とはこの辺が大きく違います。




優雅さに秘めた強さあり


和紙の中で、特によく知られている越前奉書紙
古くから公文書に使われました。
浮世絵にも欠かすことはできません。


世界一薄い紙といわれている土佐典具帖紙
この薄さにもかかわらず、大変丈夫で文化財の修復などに使われます。


こうした紙を色に染め、金銀で装飾することが早くから行われていました。
平安時代には、様々な色の紙を使った、継ぎ紙も登場。
雅やかな和歌がしたためられました。
継ぎ紙

和紙は木の皮を原料としており繊維自体は強靭。
洋紙と比較すると非常に強い。
和紙の強さを試してみましょう。
ほぼ同じ厚さの和紙と洋紙で輪を作り引っ張ると、洋紙の方が切れてしまいます。
丈夫さも、和紙の大きな特徴です。


和紙の強さの秘密はどこにあるのでしょうか。
和紙の郷として知られる埼玉県小川町
かつて、江戸で使われる紙の多くがここから送り出されました。
柔らかくなるまで煮た楮の白皮。
水の中で丹念にゴミなどを取り除きます。
つづいて、念入りに叩いて、白皮の繊維をほぐします。
洋紙の場合、材料の繊維は原形を残さないほどに打ち砕きますが、和紙はある程度、繊維の形を保ったまま仕上げます。
楮を使った和紙では繊維の長さは、5ミリから10ミリ。
一方、洋紙は1ミリ以下です。
この繊維の長さが和紙の強さの理由。
和紙の強さの理由


しかし、長い繊維のまま紙を漉くのは用意ではありません。
紙は細い竹を並べたスの上で漉きます。
楮の繊維をただ水に溶いたもので紙を漉いてみましょう。
長い繊維は固まり、斑になって薄く広がりません。
そこで登場するのがこれ。トロロアオイなどの植物からとった粘りのある液体で、ネリと呼ばれます。
これを楮の繊維と共に水に混ぜ紙を漉くのが和紙独特の製法。
ネリを加えることによって楮の繊維はほぐれ、まんべんなく広がります。
また、粘りがあるため水分はすぐにスから流れ落ちず、よく揺することができます。
そうすることで、更に薄く均一に繊維を広げていくのです。
薄く広がった繊維は、互いに広く接着し、強度のある紙に仕上がります。
美しく、そして強い。和紙が生活のあらゆる場面に生かされて来た理由です。




楽しむ和紙の代表、千代紙。色を重ねて百花繚乱



千代紙は、和紙に木版刷りで色鮮やかな装飾を施したものです。
千代紙


小物を包んだり、紙細工の材料にしたりします。
江戸時代中頃、木版多色刷りの技術が完成するとともに、女性達の間に広まっていきました。
千代紙の魅力は、多様な図柄です。
老舗の工房で、保存されている版木を見せていただきました。
これは、輪郭線を彫った版木。ここに載せていく色は、それぞれ別の版木を使います。
この千代紙の場合、濃淡のぼかしなどで微妙な表情を出すため、28回も刷りを重ねました。
こうした多色刷りの表現ができるのは、和紙の丈夫さがあってこそです。


千代紙は、ただ見て楽しむだけではなく、様々な用途に使われます。
かつて、武家の女性たちは、贈り物や菓子を千代紙で包みました。
残ったお菓子も、こうして渡せば素敵なお土産です。
贈り物や菓子を千代紙で包みました

千代紙を着物や帯にして遊ぶ姉さま人形も人気を集めました。
姉さま人形

豊かな色彩で、和紙の世界は大きく広がったのです。




扇子は持ち歩くアート


扇子は、和紙を使った工芸品の代表です。
開いたりたたんだりを繰り返す扇子。
和紙の強さが生かされています。
そこに、美しさが加わり、鎌倉時代以降、海外へも輸出されました。
江戸時代になると、庶民の間にも広まっていきます。
扇子は、誰でも手に取ることのできる身近な美術品でした。
扇面には、古くから名だたる絵師が腕を振るってきました。
江戸中期に活躍した円山応挙。
力強く朝日を描いています。


扇絵の製作を見てみましょう。
絵は、折り目を付ける前の扇形の和紙に描きます。
画材は、泥絵の具に膠を配合したもの。
膠を混ぜることで、何度折りたたんでもはげにくくなるのです。
すぐれた扇面は、美術品として鑑賞されてきました。


俵屋宗達とその一門による扇絵を全面に散らした屏風。
宗達は、もともと扇絵を専門とする絵師でした。
扇の形を最大限に生かし、ひなびた農家を描いています。
扇絵は、和紙に描かれた手の平に乗る絵画
それを貼り混ぜた屏風は、さながら小さなギャラリーのようです。


扇子は、礼儀作法に欠かせない道具としても使われてきました。
お茶の席で挨拶する時は、必ず扇子を使います。
これは結界。つまり境界線を意味します。
一歩引いて、相手を敬う気持ちを表しています。
扇子の礼儀作法、結界


扇子を用いた作法は日常生活にも生かされてきました。
例えば、ご祝儀や月謝を払うとき、扇子をお盆代わりにします。
扇子をお盆代わりに
末広がりの形に、更なる福を願う思いを託しているのです。


日本人の仕草に華やかさを添えてきた扇子。
和紙が生んだ生活の中のアートです。




和紙の明かり。光を変える紙の魔術


客を迎えるため庭先を照らす行灯
なんとも趣のある演出です。
行灯

日本の伝統的な明かりは、和紙と切り離せません。
火を和紙で囲うことによって、豊かな陰影を生み出してきました。


書見行灯。読書をするために作られた行灯です。
枠板に開けられた丸い穴。
そこにレンズがはめ込まれ光を集めます。
夜更けまで読書を楽しむ。
人々の暮らしが豊かになる中で、明かりにも多くの形が生まれました。
和の明かりに凝らされた様々な工夫。
その主役を担うのは、和紙です。


日本古来の明かりのなかで、もっとも馴染み深いのは提灯
夜、外出する時の必需品として、江戸時代、庶民に広まりました。
東海道の宿場町、小田原で作られてきた小田原提灯
折りたためることで人気を集めたこの提灯。
毎晩使っても壊れないよう、配慮されています。
太い竹庇護を和紙にしっかり糊付け。
その一本いっぽんに糸が巻きつけられています。
小田原提灯は強く振っても大丈夫。
ここでもまた和紙の強さが発揮されています。


和紙が明かりに使われたのは、強さだけが理由ではありません。
和紙を通した柔らかい光が、人々に好まれたのです。
和紙は、繊維の密度が低くすきまが多いという特徴があります。
光はこのすきまを通るとき、繊維に乱反射します。
そのため目に柔らかく感じられるのです。
和紙を通した柔らかい光


和紙の魅力に注目し新しい明かりを生み出したアーティストがいました。
日系アメリカ人の彫刻家、イサム・ノグチ(1904-1988)です。
「むき出しの電気は、和紙の魔術によって、自然の光、太陽となった」
ノグチの言葉です。
和紙が造り出す柔らかな光は、今では世界で愛されています。

 

9th Feb. 2008
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