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2009.07.17
ミミズのしっぽ
カブキ:
ミミズのしっぽを踏んだら
「おんどれ なに さらすんじゃ」
みなたいな目をして俺を睨みよったから、
「ごめん 気ぃつかへんかった お詫びに むこうまで 連れていってあげる」
って、俺はミミズを手にとった。
ミミズはアスファルトの道を横断中。
この炎天下、アスファルトは真っ赤に燃えた石焼ビビンバの器の底に化けてる。
味見したベロが器の底にくっついて離れない。
ミミズは勇気がある。
ミミズは強い。
それでも、干上がった仲間は数多くいた。
田植えの前でも百姓仕事は暇がない。
しろ掻きをして、土をこねて、土の中の無数の命をよび覚ます。
菌や微生物や名もない生き物のお陰で早苗は育つ。
しろ掻きを終えた田んぼに水を張る。
真っ先にミミズが泳ぐ。
それを鳥が摘んで行く。
穂の国では、大昔から繰り返されてきた持続可能な連鎖だ。
燃えたアスファルトに焼かれるミミズ。
しっぽを踏んだ俺がミミズを運ぶ。
鳥も見向きもしないミミズのしっぽ。
道端の小さな土にミミズを埋めると、
ミミズが溶けて しっぽが宙を舞って飛んでった。
