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200.05.11
母の日に
2008年5月の第2日曜日にあたる5月11日は母の日。
母への日頃の感謝を表す日として親しまれていますが、この行事、実は20世紀初頭のアメリカで生まれました。
母の日の由来
1864年5月1日、ウェストバージニア州のグラフトンの南に位置するウェブスターで、 アン・ジャーヴィスに娘のアンナ・ジャーヴィスが誕生しました。 この地域は、南北戦争(1861~1865年)の主戦場で、特にグラフトンは、北軍のマクレラン少尉の拠点にもなっていました。
社会活動家として活躍していたアンは、1858年に「母の日ワーク・クラブ」を結成し、 病気で苦しんでいる人たちを助けるための募金活動や、病気予防のため牛乳や食品の検査など、 公衆衛生に努めていました。1861年に南北戦争が始まると、「母の日ワーク・クラブ」 は中立を宣言して、南北両軍の負傷兵の救援と看病をし続けました。早くに夫を亡くした彼女、 女手一つで娘たちを育て上げ、自分の子供のみならず、教会学校の教師としても多くの子供たちに愛情を注ぎ込みました。
戦争も終結に近づいた頃、彼女は戦争で傷ついた人々の心を癒そうと、今度は「母の友情の日」を企画。 政治に関係なく南北双方の兵士や地域の人たちを招き、お互いに敵意を持つことを止めさせようとの狙いがあったこのイベントは、 大混乱の恐れがあったにもかかわらず、大成功を収めました。
1905年5月9日、アン・ジャーヴィスは他界しましたが、この母の教育と信念を受け継いだのが娘のアンナ・ジャーヴィスです。 アンナは、敬愛する母を偲ぶ日々の中で、世の母親に敬意と感謝を表するための記念日づくりを思いたちました。
アンナの構想に共鳴した周囲の助力もあり、1908年5月10日、母アンが長年教鞭をとっていたウェストバージニア州グラフトンの教会で 「母の日」を祝う会が催され、アンナは母が好きだった白いカーネーションの花を祭壇に捧げました。 この時が公的な最初の「母の日」と見られており、2008年の今年はちょうど100周年に当たります。
亡き母を偲ぶ心から始まった「母の日」の輪は、その後アメリカ全土に広がり、ついに1914年、 ウイルソン大統領によって今の「母の日」が『あなたの最愛の母を敬いカーネーションを捧げなければならない日』 として5月の第二日曜日を「母の日」に制定したのです。
母の日とカーネーション
カーネーションの象徴は、『母への愛』です。また、十字架に架けられたキリストを、 聖母マリアが涙した後に咲いた花だといわれています。カーネーションの原産地は、コーカサス地方。 歴史は古くギリシャ時代から栽培が始まったといわれ、ギリシャ神話にも美しい娘の生まれ変わりの花として登場しています。 礼拝などで参加者が胸につけるカーネーションは、赤い花が「健在する母の愛情」、白い花が 「亡き母を偲ぶ、なき母から受けた愛情」を表現しています。
カーネーションの花言葉:
- 赤 ・・・ 「真実の愛」 「愛情」 「情熱」
- 白 ・・・ 「尊敬」 「純潔の愛」
- ピンク ・・・ 「感謝」 「上品・気品」 「暖かい心」
- 黄色 ・・・ 「美」 「嫉妬」 「愛情の揺らぎ」 「友情」
- 紫 ・・・ 「誇り」 「気品」
日本における母の日
日本で初めて「母の日」を祝う行事が行われたのは、明治の末期頃の教会から始まったといわれています。 昭和に入ると、当時の皇后(香淳皇后)の誕生日であった3月6日を「母の日」としていたそうです。
一般に広く知れ渡ったのは、1936年(昭和11年)年、当時クリスチャン企業であった森永製菓が日本に 「母の日運動」を広め、定着させる諸活動を推進するため、「森永母をたたえる会」に発足したことによります。 翌1937年、「第1回森永母の日大会」を東京・豊島園に20万人の母親を招待して開催したのを皮切りに、 「私のおかあさん」図画・作文募集などの催しを開始し、さらに全国各地で「森永母の日大会」を開催して、 日本に「母の日」を定着させる大きな原動力となりました。
世界の母の日
アメリカ同様に5月の第2日曜日を母の日にしているのは、日本のほか、中国、ドイツ、イタリア、南アフリカ共和国、カナダ、オーストラリアなど。 子供達が母に、カーネーションやカードといった贈りものをします。 また、この日は子供達が母のケアをし休ませてあげる日。一昔前までは、母のベッドルームにおいしい朝食を届けてあげるのが一般的でしたが 生活習慣の変化もあり、最近では夕食をレストランでご馳走する子供達が増えています。 また、「母」だけでなく、祖母や母のように慕われる女性に対する感謝の気持ちを表する人も多いようです。
17世紀のイギリスでは、復活祭(イースター)40日前の日曜日を「Mothering Sunday(里帰りの日曜日)」と決め、 家から離れて仕事をしている人が家に帰って母親と過ごすことが許されていました。 (1600年代、主人が使用人を里に帰らせる日としたのが始まりです。) このとき贈り物として、「Mothering cake」というお菓子を用意したそうです。
ルーマニアとハンガリーでは、「母の日」ではなく「女性の日」らしいです。 その日に、小さい女の子からおばあちゃんまで女性は花か小さなプレゼントをもらうようです。
韓国では、母の日はなく、5月8日に「オボイナル」という「父母の日」がなります。 1番喜ばれるプレゼントは韓国では「お金」だそうですが、カーネーションをプレゼントする習慣も日本と変わらずにあるようです。
中国での母の日の過ごし方としては、日本と同じようにカーネーションをあげて一緒に食事をするようです。ちなみに父の日はないそうです。
台湾では、母の日は一年の中でも大きなイベントの一つだと考えられています。 一年の中で最も贈り物をする時期として、母の日があげられています。ついで父の日。 プレゼントには、アクセサリーが人気のようです。
インドにおける母の日の習慣はまだ新しく、催事は主にデリーなど都市部で行われています。 国民が持つ母への感謝や尊敬の気持ちは他国同様大変強く、国の祝日となる日も遠くないようです。
各国の母の日
- 2月第2日曜日:ノルウェー
- 3月3日: グルジア
- 3月8日:ブルガリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア・モンテネグロ、ルーマニア
- 四旬節(復活祭前の40日間の斎戒期)の第4日曜日(2008年は4月2日):イギリス、アイルランド
- 3月21日(春分):レバノン、シリア、パレスチナ、ヨルダン、バーレーン、エジプト、クウェート、アラブ首長国連邦、イエメン
- 5月第1日曜日:ハンガリー、リトアニア、ポルトガル、スペイン
- 5月8日:大韓民国(オボイナル・・・父母の日)
- 5月10日:メキシコ
- 5月第2日曜日:アメリカ、カナダ、オーストラリア、日本、中国、台湾、香港、シンガポール、インド、ドイツ、イタリア、南アフリカ共和国
- 10月第3日曜日:アルゼンチン
- 11月最終日曜日:ロシア
毎日の生活、人生に重要な役割を果たす母。
その存在、深い愛情と思いやりに、ただただ感謝をする想いは万国共通のようです。
5月11日は、「ありがとう」の言葉とそれに応える母の優しい笑顔が溢れる一日となることでしょう。
2008.05.11
